明日から12月。街はすでにクリスマスの気配が漂い始めていますね。毎年違うイルミネーションやオーナメントで庭先を飾るというご家庭も多いのでは?
そろそろクリスマスパーティのメニューやケーキを選んだり予約する頃かもしれませんね。今年は少し変わった置き型のキャンドルリースで住まいを彩り、クリスマスパーティを楽しく盛り上げてみませんか?
もともとは欧米のしきたりだったクリスマスリースですが、最近は日本にもすっかり定着しましたね。
小さいお子さんの多い新興住宅街などでは、可愛いリースが玄関に飾られていたり、庭先にディスプレイが施されていたりと、通行人の目を大いに楽しませてくれるものです。
リース作り、最近は普通のハンギングタイプだけでなく、テーブルやチェストの上に置く「キャンドルリース」や、花束のように無造作にまとめて飾る「スワッグ」なども増えつつあるようです。
シンメトリーで作るタイプのリースやキャンドルリースは比較的初心者でも上手く仕上がります。
一見無造作に見えても、形や色のバランスにセンスが問われるスワッグは、どちらかと言うと上級者向けかもしれません。
さてその前に。そもそもクリスマスリース作りって、欧米ではどんな意味を持つ家庭行事なのか、存知でしょうか?
実はクリスマスリース作りには、様々な「思い」が込められているんですね。いくつかご紹介します。
クリスマスリースは英語でChristmas Wreath。Wreathとは「花輪」という意味です。
花輪は円形で途切れることがない形状なので、終わりのない永遠eternityに神の加護があることを意味します。神に感謝して敬意を示すとともに、とても縁起が良いものでもあります。
神の加護が永遠に続き、家族がずっと幸せで健康であること、長寿であるよう願いながら、ひとつひとつ丁寧に作って行きます。
日々の食事に感謝し、一年の豊作を祝い、翌年の豊作を祈願するという意味もあります。
リースに使われているのは果実やドライ植物、穀物など。今年一年、食べ物に恵まれ健康に過ごして来られたことに感謝し、永久の豊作を祈願します。
余談ですが、日本のしめ飾りやしめ縄、鏡餅などの「お飾り」にも似たような意味があります。
ミカンのような橙(だいだい)は実を落とさず毎年実をつける性質があるのと、橙(だいだい)が先祖代々(だいだい)に通じるということから、健康と子孫繁栄を願って、お飾りに橙が使われているそうです。
また、昆布は「喜ぶ」に通じ、稲は豊作のシンボルです。
丸い餅を飾るのは家族の円満を意味し、餅を二段に重ねるのは「かさねがさね」ということ。餅は長く伸びるという性質を持つことから、末永く元気でという長寿を願う気持ちも込められていますね。
日本人にとってのしめ縄などと同じような存在が欧米のリースと考えると、その意味合いは理解できますね。
常緑樹のコニファー(針葉樹)は、殺菌抗菌効果があります。玄関につけることによって、魔除けの役割を果たします。
また、リースやツリーによく使われるベルは、その音で邪悪なものを祓うとされ、赤いリボンにも魔除けの効果があるとされています。
このように、欧米では、家族や家を訪れるお友達の健康や幸せを願い、リースを作り、玄関に飾ります。
その起原や意味がわかるとなお、リース作りのモチベーションが高まるのではないでしょうか?
昨年のマイスマ総研では手作りのハンギングリース作りをご紹介しましたので、今年は置き型の「キャンドルリース」をご紹介したいと思います。
イメージする仕上りサイズに合わせて、材料の量やサイズを加減しましょう。
コニファーは緑の濃淡2種類くらいあるとよいですが、生木の枝を買うとどうしても量が多くなるので、お友達と材料をシェアしながら一緒に作るか、いくつか作ってお友達にプレゼントしても喜ばれますよ!
○生木(モミの木、ヒバなどのコニファー類、ユーカリ)
○木の枝(シラカバやミツマタなど)
○木の実(姫リンゴ、松ぼっくり、アンバーバーム、スターアニスなど)
○赤い実(ヒイラギ、なければサンキライやバラの実などでもOK)
○耐熱ガラスのキャンドルスタンド、ミニキャンドル、テラコッタ受け皿
○オアシス、オアシスピック、アイスランドモス(フェイク苔でもOK)
○ワイヤー、ハサミ、グルーガン(なくてもOK)
7~10cm程度の様々な長さで小分けに切ります。
長さを様々に切り分ける理由は、仕上がりの写真のように、下の方にはやや長めの枝を、上に行くにつれて少し短いめのものを使うほうが、こんもりと丸くなり、見た目のバランスが良いからです。
ただし、わざと、アクセントになるような向き、長さの枝をところどころに入れるほうが無造作な雰囲気を演出できますね。
ですから、コニファーを買うときには緑の濃淡や葉の形、生え方などが異なるものをミックスすると、華やかに雰囲気良く仕上がりますよ。
まずはオアシスを12~3cm四方にカットします。または最初からカットされているオアシスを利用してもよいでしょう。
オアシスは、写真のように「面取り」をします。角を切り取って花を挿しやすくし、花の給水も良くなります。
次に、土台となるオアシスをテラコッタの受け皿にセット。素焼きの受け皿に苔を乗せ、その上に耐熱ガラスのキャンドルスタンドを置きます。苔を置くことで、ガラスのキャンドルスタンドが滑りにくくなるのと、上からキャンドルを見たときの見映えのためです。
さあ、これでリースのベースの準備ができました。
いよいよコニファーの生木を挿していきます。色の濃いもの、大きいものから挿した方が形が作りやすいですよ。
まずは長めのサイズをテラコッタの受け皿の高さから、四方向に、オアシスの中心に向かって垂直にモミの木を指します。
次に、キャンドルホルダーの根元から、オアシスの一番底の中心をめがけて枝を刺して行きます。
長めのものを下のほうに、やや短いものを上の方に挿した方がバランスが取りやすいようです。
オアシスに刺す深さは2cm程度。深すぎるとオアシスの中で枝がぶつかり合い、最後には挿すところがなくなります。また、短すぎると、十分に水分を吸い上げることができません。
次は、オアシスのコーナー部分に、一番底の中心をめがけて挿して行きます。
これで、一番上の位置と、真ん中、一番下の位置に枝を刺したので、これを目印に、あとは隙間を埋めるように残りの生木を刺して行きます。
地味な色味のものから挿し終わったら、差し色になる明るい色のコニファーはその後に、高さや間隔に気をつけながらバランスよく足していきます。
ユーカリの葉は先の部分が可愛らしいので、枝先があちこち向くように挿すと、リズミカルで華やかな印象になります。
なるべくオアシスが見えないように、まんべんなく、枝を挿して行きましょう。
コニファーとユーカリを挿し終わると、上記のようになります。
次に、枯れた枝を挿して行きます。
枯れ枝は、お庭の枝を使ってもよいし、ドライ花材を扱うお店で売っているもの、なんでもいいです。
ネットショップなどでよく売られているのは「シラカバ(シラカンバ)」「ミツマタ」など。クリスマスの雰囲気にピッタリです。
写真のように、三か所くらい、バランスよく立てて行きます。長さもお好みで、差をつけてみて下さい。
写真は黒っぽい枝ですが、白っぽいものもクリスマスっぽくて素敵です。
まず、ワイヤーを松ぼっくりの底の部分に一周り巻きつけます。片方だけを、もう半周させて上の写真右側のようにひねって結び、オアシスに刺しやすいように2本を1本にまとめてねじります。
姫リンゴは、下の部分に楊枝を刺し、オアシスに刺しやすいようにします。枝はぴょこっとしていてかわいいので、その動きも楽しみましょう。
楊枝がリンゴから外れてしまうのが心配な場合は、グルーガンやボンドを楊枝の先につけて、乾くのを待ってからオアシスに挿していきましょう。
姫リンゴや松ぼっくりは、三角形になるように配置すると、どこから見てもバランスが良いです。
また、正面となる位置を決めた場合は、2個ずつまとめて挿すと、パッと華やかなアイキャッチになりますね。
姫リンゴが入手できない場合は、代替えとして赤い木の実を飾ると華やかになります。
写真左はクリスマスのシンボルともいえるヒイラギ、右はサンキライです。どちらもこの時期は入手しやすいドライ花材です。
ヒイラギの赤い実やトゲトゲした葉はとても可愛いく、一気にクリスマスらしい雰囲気になりますね。
サンキライの実ならお正月のしめ縄風リースなどにも流用でき、姫リンゴよりもおトクかもしれません。その他、南天の実もお正月らしい花材ですね。
昼は可愛らしい印象に、夜に照明を落とした部屋でキャンドルをともせば、とてもムーディになりますね。
クリスマスを過ぎたらリンゴや枯れ枝、キャンドル、ユーカリを外して、代わりに松葉、南天、細い竹、葉ボタンなどを加えます。
水引や和紙の飾りを添えて、しめ縄風に仕立ててみましょう。三が日か、幕の内までは楽しめそうですね。
コニファーは1~2か月は枯れずにもちますので、アレンジひとつでお正月まで使いまわせる手作りの置き型リースに、今年はぜひチャレンジしてみてください!