日本は世界有数の地震国として知られ、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本近辺で発生しています。家を建てるとき、「地震に強い家づくり」をする事は、万一の備えだけでなく家族の毎日の安全のためにも必要不可欠とも言えます。中古住宅を購入する場合であっても、耐震基準を満たした建物かどうか気になるところです。
建物の地震対策は、制震・免震・耐震の3つに大きく分けられます。ここでは、それぞれの特徴について説明を行います。
■制震「躯体に制震装置を組み込み、地震の揺れを吸収する」壁や柱、梁といった躯体に制震装置を入れることによって、地震の揺れを20~50%吸収することができます。制震は高層階の揺れを和らげることができますので、地震の揺れが上の階ほど増幅する高層ビルなどに有効な技術です。
■免震「建物を地面と切り離し、地震の揺れを伝えない」建物の基礎の上に「積層ゴム」「すべり支承」などの免震装置を設置して、その上に建物を建てることで80~90%もの揺れを吸収できます。
■耐震「強度を上げて地震に耐える」構造体そのものの強度を上げ、建物の堅さと強さで地震に抵抗します。主に壁を補強をすることによって家を壊れにくくするのが耐震工事です。
■耐震よりも制震・免震が好ましい耐震だけでは揺れ自体を和らげられないので家具の転倒などの二次災害を防ぐことができません。揺れを軽減して二次災害を減らすことができる免震が一番効果が高いです。免震住宅は地面からの揺れが直接伝わることがないので大きな地震でも耐えることができます。
免震工事は設備が大掛かりになることや軟弱な地盤には対応が困難なこともあり全ての家には対応できません。また、免震工事は制震工事と比べて何倍ものコストがかかります。制震は比較的コストがかからないことや、耐震だけより地震の際の揺れが軽減できるため、特に高層マンション等の場合は導入することをオススメします。
地震対策は若干費用がかかりますが、安全のために少し費用をかけてでも免震構造にしておくことで将来に備えておくことが好ましいです。また、住宅・建築物の耐震化を促進するために国や地方公共団体等で様々な支援制度を設けていますので、そのような制度を利用してみるとよいでしょう。
(参考資料)RESTA 不動産コラム