「ねえ、スマ?」
「なあに、マイ?」
「ペットでも飼ってみない?」
「また突然だね…どんなペットが気になっているの?」
「猫を飼ってみたいかな?」
「猫派だったの??」
「あれ、スマは違うの?」
「こんなに一緒にいるのに、知らなかったこともあるんだね…」
「最近、来る猫をただ眺めているだけ、なんてアプリもあるよね~」
「バーチャルな猫でいいの?」
「でもやっぱり、本物の猫も飼いたいよね」
「最近は、ペットショップで買うんじゃない方法もあるんだって。」
「え?どういうこと?」
「最近、猫付きの物件とか、シェアハウスとかができ始めているんだよ。」
「猫付き…?」
「うん、自分で猫を飼わなくても、猫を紹介してくれたり、最初から猫が住み着いたシェアハウスだったり、そんなのが登場しているんだよ。」
「そうなんだ!?」
「おまけに…実は、『猫付き』として紹介してくれる猫には、ちょっと事情があるんだよ。」
「夜中に化けて出るとか?」
「猫又って怖いよね……
じゃなくて、行き場がなくなって殺処分されそうになっていた猫を保護する団体が、その一環で行っているんだって。」
「ペットの殺処分って、問題になっているからね。」
「こうすることで、猫を飼いたい入居者の人、新天地を見出す猫、そして猫を受け入れることで入居者の窓口が広がる大家さんと、関係する三者ともがハッピーになれる仕組みになっているんだって。」
「なんだかすごい!」
「こういう、社会的な活動とビジネスをつないだ試み、いろんな分野で広がっているけど、良い世の中になっていけばいいよね。」
「あれ、どこにいるの??」
「まさか、こんなところにいるなんてね…でも、うちはペット禁止だったよね?」
「じゃあ、こういうのはどう?」
「意外とかわいい…じゃなくて自分たちが猫になってもあまり意味がないよね…」
「東京キャットガーディアン」という、猫の保護団体が始めた試みが、保護している猫を入居者に紹介して飼ってもらう「猫付きマンション」、そして最初から猫を住まわせた「猫付きシェアハウス」です。もちろん猫を預かるという以上、相応の審査はありますが、営利目的で猫を貸し出すというより、一匹でも多くの猫を救うということが目的なので、飼っているうちに愛着が湧けば、引っ越した後にも自分の猫として飼い続ける、ということも可能です。
また、空き家が増加するような時代背景の中、賃貸業界でも競争が激化し、差別化要素として「ペット可」、さらには「ペットと共生することを前提に設計、リノベーションした」物件も増えてきていますので、ペットを飼いたい人にとっても、選択肢が広まっていっているといえます(なお、「猫付きマンション」を始めたのと同じ物件で、大家さんが猫に理解があることが知れて、残りの部屋まで猫を飼っている人で埋まった、なんて話もあるそうです)。
なお、本文中の写真はイメージであり、この猫は「猫付きマンション」などとと関係するものではありません。