生活していれば、必ずゴミは発生するものですが、地域によってゴミの分別法、出し方は千差万別です。引っ越した先で戸惑われた方も多いでしょう。
大半の地域ではゴミは朝に出すものですが、福岡市周辺などの一部地域では、真夜中にごみ収集が回ってくるので、日没後に出すことになっています。明治時代に、肥料に使うために農作業前の早朝に収集していたのが由来で、ごみ収集を市が行うようになった後にも、交通渋滞を避けられる、カラスが荒らさないなどのメリットがあるので、現代になっても続いています。
東京23区では、埋立地の残りが少ないこと、また焼却炉でもダイオキシンが発生しないようにしたり熱を回収して発電するシステムを導入したこともあり、プラスチックを燃えるゴミに区分するようになっています。
このように、ごみの区分は自治体ごとの事情を反映しますが、中でも桜島を抱える鹿児島市では、普通のゴミとは別枠で火山灰を収集しています。関東地方でも、いつか起きるかもしれない富士山の噴火に備えて、鹿児島での取り組みを参考にしているところもあります。
夜中に収集するところは別として、ゴミ収集車が音楽を奏でながら回ってくるところもあります。市民の歌を流しているところ、童謡などを流しているところ、さらには回収するゴミの種類によって音楽を変えているところもあります。
ごみ処理施設や埋立処分場は、周囲にあまり恩恵があるものではないこともあって、多くの都市で確保に苦労しているという状況があります。古くは1970年台に、自前の焼却炉を作る計画が進まない状態となっていた杉並区のゴミを江東区が受け入れ拒否したという、「東京ゴミ戦争」というような事態も起こり、近年でも東京都小金井市で、老朽化した焼却施設を代替先が決まらないまま廃止した結果、10年以上も安定したごみ処理の枠組みを作れず、時にはごみ収集自体が止まってしまう事態ともなっています。
執筆:マイスマ制作チーム
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