あなたのお気に入りはどんなカフェですか?
スキー場のロッジのようなウッディなカフェ?それともファブリックパネルや白木を基調にした北欧風カフェ?
レンガやビンテージ家具+大き目観葉植物が「こなれ感」を醸すブルックリンスタイルのカフェ?
最近はこんな風に様々なテイストやテーマを設けたカフェがあり、どれもが魅力的で、行ってみたくなりますね。
筆者は最近、まったり出来る古民家カフェ&レストランにハマっています。
日本人の原風景の中に必ずある、縁側、深い軒や庇、障子の和紙越しにこぼれる優しい光。そう、「懐かしい」がキーワードです。
最近は親世帯との同居や近居が増えて「おばあちゃんち」を持たない若者が多いそうですが、古民家カフェの持つ空気感には、誰もが「ただいま!」と言いたくなるでしょう。
そして、折に触れ何度でも足を運びたくなる、そんな不思議な魅力にあふれています。
もちろん古民家カフェ&レストランは外国人観光客にも人気です。このところ再び注目を浴びていますね。Trip Advisorなどにもたくさん紹介されていますよね。
お香体験やお茶を立てるなど和のワークショップや着物体験などを組み合わせた古民家カフェも多いので、そんなところも人気の秘密ですね。
というわけで、今回は東京・埼玉・千葉の古民家カフェ&レストランを一気にご紹介します。
「谷中」「根津」「千駄木」の魅力を紹介する「谷根千(やねせん)」という雑誌が発刊され、この界隈が注目されるようになってから早や20年が経ちました。「谷根千」という言葉は一人歩きして、今やすっかり一つのカルチャーとして定着しましたよね。
谷根千は東京街歩きの定番スポットとして、地元民はもちろん、全国から多くの観光客が訪れています。
そんな谷根千の一角に出来たのが「上野桜木あたり」です。
「上野桜木あたり」は、築80年になる三軒続きの古民家郡を2015年に再生して作った複合施設。3つの古民家はそれぞれ「あたり1」「あたり2」「あたり3」と呼ばれています。
地ビールの「谷中ビアホール」、アパレルや雑貨のセレクトショップ、Kabaya Belery、塩とオリーブの専門店などの常設店舗の他、週末にはマルシェやワークショップで賑わいます。
上野の美術館や博物館に行かれた際は少し足を延ばして、東京芸大の脇を散歩しながら「上野桜木あたり」でぜひ一服してみて下さいね。
表参道の裏にあるから「裏参道ガーデン」。実に楽しいネーミングですね。
住宅地の露地の奥に忽然と現れます。通りに大きな看板も出ていないので、地図アプリを立ち上げつつ、よーく気を付けて歩かないと、素通りしてしまうのでご注意!
ここは「五感で楽しむ古き良き日本」をコンセプトに大きな古民家をリノベ―ションした複合店なのです。
お茶と甘味の「宇治園」甘味どころ「甘味CLUB」パンケーキ「Riz Labo Kitchen」などのある1階は、日本の食と文化が体験できる横丁スタイルのカフェコーナー。自分で立てたお茶を飲むスタイルなどは外国人観光客にも人気です。
表参道の喧騒を離れて一服するには最適な、ノスタルジックなスポットです。
二階のワンフロアはレンタルスペースなので、アーティストの個展やカルチャースクール、各種ワークショップ、セミナー、パーティなど多用途にも利用可能。
結婚式や二次会などを、こんな隠れ家的な古民家で催すのって、とても素敵ですね。
興味のある方はぜひお問合せしてみて下さいね。
「懐石 ギャラリー 燈燈庵」は立派な門をくぐってのアプローチが素敵な古民家料理屋&ギャラリーです。
料理は懐石のみでアラカルトのメニューはなく、接待や結納、法事の他、同窓会や女子会など、特別な日に訪れたい場所です。
マイクロバスの送迎もスタートしたようなので、慶弔など、親戚が一同に会しての食事には最適な場所ですね。
団体客向けのキャパシティのある一階席、少人数でも使い勝手のよい二階席のほか、夏は素敵な庭を眺めながらの屋外席あります。
お料理はこんな風にそれぞれの季節感たっぷりの美しい盛り付けで提供していただきます。
一品ずつ運ばれてくるたびに、小さなサプライズがあること請け合い。とにかく盛り付けが見事なので、みなさんため息をつきながら、記念写真を撮られています。まさにインスタ映え、ですね。
庭の景色を眺めながら、季節の旬の食材をふんだんに使った日本料理をゆっくりと目で舌で五感で楽しむ。
きっと特別な日に相応しく、大切な思い出として右脳に刻まれることでしょう。
併設されているギャラリーは、過去には人気陶芸家・青木良太さんや船越保さんの個展、ガラス作家のなども催されました。
作家モノの器や漆器、小物、この地域の産物やお酒、和紙の雑貨などの土産品も並ぶ、とても楽しいスポットですよ。
食事をせず、このギャラリーを覗いてみるだけでも、十分に雰囲気を楽しむことができますよ。
「蓮月」は、東京の名刹、大田区の池上本門寺の山前にある古民家カフェ。
前身である昭和初期創業の蕎麦屋「蓮月庵」は、池上本門寺の参拝客や近所の常連で賑わう店でしたが、2014年、亭主が高齢のために店じまいを余儀なくされました。
そこで、近隣の人たちがなんとかこの建物を活かそうと立ち上がり、日夜ミーティングを重ねてアイディアを出し合って、カフェとして存続することに決定し、2015年に新規開店しました。
一階はカフェとして、二階はレンタルスペースとして活用されています。中庭を眺めながらのお食事、素敵ですよね。
カフェのメニューもとても幅広く、コーヒー紅茶チャイなどのソフトドリンクの他、カクテルやビールなどの種類も豊富。
ランチは丼もの中心で、オリジナルのケーキやプリンなどのデザートも充実。
夜は自家製ハムやサラダなど、お酒に合うおつまみが手ごろな値段でたくさん揃えられていますよ。
地域のみんなに愛される古き良き昭和の佇まい「蓮月」。こんな誕生のストーリーを踏まえて、ぜひ訪れてみて下さいね。
花想容(かそうよう)は目白駅徒歩6分。住宅街の中にひっそりとたたずむ日本家屋です。
分かりやすく言うと「カフェを併設した呉服店」となるでしょうか。
大正時代に建てられた元華族のお屋敷と住居。季節ごとに表情を変える小さな庭が訪れる人の心を癒します。
この店のオーナーは絞り染め作家の中野光太郎さん。中野さんの個展に偏らず、様々な着物にまつわるイベントが開催されます。
定期的に行われるお茶会や着付け教室の他、不定期に行われる展示会や各種ワークショップには、広く和の文化を愛する多くの女性が集まります。
着物のお手入れや、お仕立てなど、着物にまつわることなんでも相談に乗っていただけそうですよ。初めての着物を誂えたいと思っている方は、まずはカフェを訪れて、ゆっくりとお話してみるのが良いかもしれません。
着付け教室は10回で3万円だとか。とてもリーズナブルな価格ですね!ぜひ筆者も通いたい、そんな素敵な空間です。
古桑庵は、読んで字の如し、桑の古材を利用した茶室で、建物は昭和29年築です。
もともと茶室だった建物をギャラリーカフェにしたのは今世紀に入ってすぐの2001年。
人形作家の渡辺芙久子さんのお住まいとアトリエを兼ねており、たくさんの作品も並べられています。
どちらかと言うと「洋」テイストのショップやレストランが多い自由が丘にあって、民藝と骨董が混じり合い、独特の風情を醸す古桑庵は、良い意味で異彩を放つ街の名物スポット。
喧騒を少し離れた住宅街にある落ち着いた空間で、各種甘味や、夏にはかき氷を楽しむこともできます。
また、貸席や貸ギャラリーでは、落語会や茶会、ワークショップ、個展など、様々な催しものが年に数回開催されているようです。
せっかくならイベントに合わせて訪れてみてはいかがでしょうか?
2階ギャラリー「楽の蔵」は父の安田恵三さんが、1階のレストラン「シェ・トモ」は息子でシェフの安田友樹さんが営む複合店です。
建物は山形県鶴岡市の旧家の文庫蔵を移築したもので、栗や欅の柱、梁などの風合いをそのまま大切にしています。
1階のレストランは、家具作家山田英和さん作によるテーブルや椅子が置かれ、しっとりとした空間にマッチしています。
2階多目的ギャラリーは絵画や陶芸、地元ガラス作家の個展や、アクセサリー店などの企画展が目白押しです。超人気レストランのため、待ち時間にギャラリーを楽しむというお客様も多いとか。
楽の蔵では、作家の個展や各種企画展の他にも音楽×コース料理、ワークショップ×コース料理などのイベントも開催されます。
そして、レストランシェ・トモが二軒目となる「minette(ミネット)」をオープンさせたことがテレビのニュースなどで話題になっていましたね。
Minetteは埼玉では珍しいキッシュとフレンチ惣菜のお店です。
Minetteは、越谷市の旧道に面した築120年の蔵を改築した「はかり屋 クリエイターズ ヴィレッジ」の一角に出店しています。
2018年2月1日オープンしたばかりで、最初はテイクアウトからのスタート。2月半ばからはイートイン可能となります。待ち遠しいですね。
古民家再生「はかり屋 クリエイターズ ヴィレッジ」プロジェクトは、楽の蔵 シェ・トモの安田友樹さんが主催する街おこしプロジェクトです。
当初は2017年2月の2日間の期間限定のイベントでしたが、このプロジェクトに賛同した多くのクリエイターが集まり、常設の店舗として営業することになりました。
minetteの他にも様々なお店が続々オープンする予定で、これからの動きに目が離せませんね。
こうした古民家再生のプロジェクトやマルシェなどの街おこしに力を入れている越谷市は、最近各種マスコミを賑わわせています。
NHKのBSプレミアムでも2月28日から「埼玉発地域ドラマ」の「越谷サイコー」が放送されるようですし、ちょっとした越谷ブームが訪れるかも?!
東武スカイツリー線の「草加駅」と「獨協大学前駅」の間にある旧道(旧日光街道)は、江戸時代に参勤交代の行列が歩いた街道で、芭蕉の「奥の細道」にも描かれており、芭蕉の銅像なども建てられています。
旧4号線とこの旧道が交わる場所には、宿場町草加の本陣となった「八百梅」という旅籠料亭がありました。20年くらい前までは鰻屋として営業していましたが、閉店。その後中華料理の「紅虎餃子坊」になり、それも閉店してしまっています。
草加の旧道入口のシンボルのような立派な古民家なので、次なる再生(再々生?)が楽しみですね。
この旧道界隈、このところ新しい飲食店のオープンが続き、賑わいを見せていますね。2016年にオープンした「蔵カフェ 中屋」はその代表的な存在。
「中屋」は築150年の蔵をリノベーションしたカフェ&レストランで、レンタルスペースでは各種イベントやライブ、ワークショップが開催されています。
昼はデザートの美味しいカフェとして近隣のママさんたちの憩いの場に。夜は本格的なコース料理を提供しているので、記念日やお祝い事、社用だったら周年記念パーティなどにも最適ですね。
ディナーはカフェタイム終了後18時からスタートで、曜日が限られています。要予約となっているのでまずはご連絡を!
川口市安行からもほど近いこのあたりは、古くから植木屋さんが多いことで有名です。
カフェSenkiyaの屋号も、もともとこの地にあった実家の植木屋さん「千木屋」より継承されたとのこと。
古い一軒家を改装しながら、カフェや雑貨店、ギャラリーを営業しています。
Senkiyaは川口のものづくりコミュニティの中心的な存在で、年に数回は音楽イベントなども開催されているようです。
ちなみにお隣の越谷市にあるkoushaさんもSenkiyaの仲間です。
Koushaは陶芸家の飯高幸作さんとsenkiyaによるプロジェクトです。
建物は古民家とまではいきませんが、工房に併設されたカフェで素敵な器とともに愉しむお食事とお茶。とても人気のお店です。
こちらもぜひ覗いてみて下さいね。
川越探訪の中心的存在「時の鐘」と市役所の間くらい、通りの喧騒を離れた路地の奥に佇むのがHATSUNEYA GARDEN THE CAFE(ハツネヤガーデン)です。
文明開化のまさに明治元年、料亭「初音屋」が創業。その暖簾(のれん)を守りながら、建物を和モダンに大規模リノベーションしています。
川越市の都市景観重要建築物に指定されているそうです。
お店のネーミング、その昔広尾にあった知る人ぞ知る店「羽澤ガーデン(ハネザワガーデン)」を思い出しますね。食事もお茶もできて、結婚式もできる、そんな迎賓館的な要素も羽澤ガーデンを彷彿とさせます。
さて余談はさておき、このハツネヤガーデン、まさに特別な日に相応しい本格的なフレンチレストランなのです。
歴史と伝統ある空間で、風情ある庭園を眺めつつ美しく盛り付けられた素晴らしいお料理をいただきながら、家族の大切な記念日を祝いたいですね。カフェの方も貸し切りイベントに対応しているようです。
インスタ映えする美しい料理やスイーツは、同窓会や、女性の多い会社のイベントなどにもピッタリですね。
もちろん、川越の地ビールCOEDO(コエド)も品揃えしていますよ。
→ HATSUNEYA GARDEN THE CAFE オフィシャルサイト
最後はネタ系のお店をひとつご紹介。
こちらの百福は「ももふく」と聞いてピンと来なくても、「原田龍二の父の店」と言ったら地元の人なら誰でも知っている、ちょっとした有名店です。
幹線道路沿いにもたくさん「原田龍二の父の店」という張り紙が張られて、往来の目を引きます。
(原田龍二さんっていうのは、ジュノンボーイからのデビューという二枚目ながら、最近「絶対に笑ってはいけない」でアキラ100%との素っ裸お盆芸を披露した、あの俳優さんですよ!)
最近の原田龍二さん人気に伴い、お店も益々人気UPしそうですね。
ちなみに原田龍二さんの弟さんは俳優の本宮泰風さん、そのお嫁さんは松本明子さんという芸能一家。店内にはたくさんお子さん達のポスターが貼ってあったり、メニューにまでお子さん達が登場しています。
店の一角には、オーナーの独特な審美眼を通した骨董品の数々が展示販売されています。だから「アンティークカフェ」という名称なのですね。
和甘味に限らず、サンドウィッチやハンバーガーなどの食事系メニューもあり、ケーキやパフェなど洋スイーツもあります。
でも、せっかくの古民家ですから、人気のクリームあんみつなど、和スイーツを楽しみたいですね。
今の季節は温かいぜんざいが人気のようですよ。話のタネに一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
えどもんずは、千葉県富津市の「合掌館」の中にあるカフェ&ギャラリーです。
まさに古民家中の古民家というべき、なんと築230年の合掌造りの建物です。
こんな美術品や日本人形などの骨董品がずらりと並べられた広間や、各個室でもコーヒーをいただくことができます。
こちらのオーナーのコーヒーへのこだわりは、とても徹底しています。取扱豆の種類も多く、水出し、ネルドリップ、レギュラードリップ、サイフォン、ハンドプレス、エスプレッソマシーンなど、抽出方法は実に10種類以上も。
豆の中ではブルーマウンテンの産地、焙煎方法、酸味などのこだわりは他の店を圧倒するものがあります。
「珈琲道」「珈琲裏総本家家元」を名乗るオーナーならではの、この極上ブルマンは、通販でも購入できるようです。
でもぜひ富津市を観光がてらえどもんずを訪れて、230年の空間で味わいたいものですね。
そして、風貌もステキなマスターの熱い「珈琲道」をお伺いしたいですね!
流山市の古民家再生プロジェクトの一号店として生まれたのが「丁字屋 栄」です。
「丁字屋」とは古くからこの街にあった足袋屋の屋号。当時のたたずまいをなるべく大切にし、土間や上り框、階段、木部、神棚などそのまま生かしています。
この界隈には古民家が他にも数多く立ち並び、現役で商売を営んでいる呉服屋さんなども。夕方になると絵行灯に火がともり、さながら江戸時代の街道のままの風情です。
街並みの美しさは、地域をあげての取り組みの意気込みを物語っていますね。
「丁字屋 栄」はイタリアンですが、少しフレンチテイストを折衷した料理もありますね。お正月には洋風おせちが大人気だったようです。
また「食いしん坊バンザイ」などTV番組にも良く取り上げられており、入口の土間にはそんな記事やサインなどが並べられています。
テイクアウトのスイーツや、アンチョビバターも大人気で、お食事の前や帰りがけにショーケースを覗いて帰られる方も多いようですよ。
屋号は奥様のお名前かな?そう思っていました。
実は香取市佐原の「佐」の文字をほどいて「イ」「ナ」「エ」としたもの。
オーナーが生活の基盤としている佐原の土地への思い入れを込めて名付けた屋号なのです。
中庭を囲むように、明治時代に建てられた2件の古民家と、敷地内の蔵や洋館。
これらをすべてつないで、複合店「いなえ」となります。
古民家1では甘味処を、古民家2ではセレクトショップを営んでいます。
蔵と洋館は企画展を開催したり、音楽会などのイベントを行うスペースにもなります。
知られざる小江戸、佐原。都心から日帰りでも出かけられる密かな観光スポットです。
勇壮で荘厳な山車を、佐原囃子が盛り上げる「佐原の大祭」。夏祭りは7月、秋祭りは10月なので、おでかけの際は「いなえ」にもお立ち寄りになってくださいね。
南房総にあるカフェ「夜麦」。これで「よもぎ」と読むのだそうです。
なんと、築200年という横綱級の古民家カフェです。
他の古民家カフェが内外装にかなり手を入れたリノベーション古民家なのに対して、こちらは、極力手を加えずに昔の佇まいをそのままにしているのが特徴的。
まさに日本人の原風景そのままの家屋で、縁側でおばあちゃんが縫物をしていそうなノスタルジックな建物です。
地産地消の野菜で作るパスタやカレー、デザート、有機栽培にこだわったお茶やコーヒー、レモネードなどメニューは豊富です。
人気なのは自家製ベーコンで作った昔ながらのナポリタン。
ペットOKということで、愛犬家の方もドライブがてら、多く訪れているようです。
いかがでしたか?
今もなお進行中の古民家プロジェクトもたくさんあるようです。
人気のブルックリンスタイルも、北欧スタイルもそれぞれに魅力がありますが、日本人なら必ずDNAに響く古民家カフェ&レストランにも、たまには訪れて、ほっこりと落ち着く休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
執筆:マイスマwoman's LABO 編集部
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