近年、競争が激化している住宅ローンですが、単純な金利だけでなく、各社がそれぞれに商品特性を持たせた住宅ローンを売り出しています。その中の一つに、「預金連動型住宅ローン」というものがあります。
ふつうの住宅ローンでも繰り上げ返済を行って、金利負担を減らすことはできるのですが、ものによっては繰上げ自体に手数料がかかりますし、繰り上げ返済をしてしまった分のお金を手元に戻すことはできませんので、急な資金が必要になると困るケースも出てきます。
一方で、預金連動型住宅ローンでは、繰り上げ返済をしなくても、連動する普通預金に資金を積むことで、その預金分の住宅ローンに利子がかからないというシステムになっています。もちろん普通預金ですので、自由に預け入れ、引き出しもできますから、資金をいつでも使えるままで、繰り上げ返済と同等の効果を得ることができます。
また、住宅ローン減税は、ローン残高に比例して減税額が決まる仕組みですので、繰り上げ返済をすると減税額も減ってしまいます。預金連動型住宅ローンでは、普通預金を積んでもローンの残高はそのままで、あくまで金利が減免されているだけなので、住宅ローン減税はフルに受けられます。
もちろん、メリットばかりではなく、金融機関にもよりますが預金連動型住宅ローンは通常のローンに比べて金利・手数料が高い傾向にあります。また、変動金利型の商品しかないという点にも注意が必要です。
積極的に資金を作って、どんどん金利を減らしていこうという人、あるいはもともと余裕資金があるけど、住宅ローン減税を見越してローンを組んでおこうという人に向いた商品となっています。
執筆:マイスマ制作チーム
『マイスマ総研』一覧ページへ