最近、一人暮らしの女性が被害に遭う事件がかなり増えていますね。
暴行や強盗犯罪の場合、その数が多い割には事件として表面化されにくいものです。被害者が申し出なかったり、被害者に配慮が行われることが非常に多いからです。どの程度深刻な犯罪が、どのエリアでどれくらいの頻度で起きているのかを、なかなか把握しにくいですよね。
警視庁によると、昨年一年間の侵入強盗数は46,091件。この、侵入強盗というのは女性にとって最も恐ろしい犯罪ではないでしょうか。
強盗犯罪は、金品を盗られるという実害もさることながら、仮に命に別状がないとしても、その時期だけでなく生涯にわたり被害者のメンタルに大きな影響を与える犯罪と言えるでしょう。
就職する企業や大学の推薦入学が決まる時期でもあり、また、年内に転居をと考えている方が動き出す季節でもあります。そこで今回は、一人暮らしを始めようと計画している女性の為に、物件探しや防犯対策についてまとめてみました。
目次
女性の一人暮らしの第一歩、物件探しにおいてまず一番大切なのは立地や環境かもしれません。
いくら最新の防犯設備が整った住居に住んでいたとしても、家の中にいるときにだけ犯罪に遭うとは限りません。
通勤・通学の行き帰りの道で痴漢やひったくり、連れ去りなどの事件に遭遇することが多いですよね。
物件探しをする前に、転居先の候補となる自治体の公式サイトを徹底的に比較してみてください。
最も参考になるのは窃盗犯罪のデータです。もし細かくデータを公開している場合、「侵入窃盗」は要チェックです。
女性にとって遭遇したら最も怖いのが侵入窃盗犯。その手口も年々複雑化、巧妙化しています。
その他にも軽犯罪率、それから交通事故発生率なども治安を考える上では大事なデータですね。
女性の場合、一番注意したいのは性犯罪率です。
ひとくくりに性犯罪と言っても覗きや痴漢から暴行まで多岐に渡っていますよね。
しかも、冒頭でお伝えした通り、命に別状のあるケースを覗き、被害者から申し出ることが少なく、具体的な内容や手口が公表・報道されにくくなるという皮肉な反比例曲線を描きます。
市区町村の公開しているデータをしっかりチェックして、かつ、駅から物件までの環境は出来れば自分の脚で歩いてみること。
昼間だけでなく夜の安全もしっかりと見て歩くのがおススメです。
遠方ならグーグルアースなどでも街並みをチェックすることができますし、街灯の数なども見ることが出来ますね。
また、最近の大規模賃貸住宅の試みとしては、街並みやゾーニング計画からスタートするものも多いようです。
パッとみて賃貸住宅に見えない工夫をしたり、駐車場やゴミ置き場など共有スペースの位置関係にも防犯上の意図が反映されたり、コミュニティ創出により防犯性を高めるなどの狙いもあります。
賃貸住宅群の中に集会所や中庭、コミュニティ広場やドッグランまで備えた物件もあります。住人同士が醸し出す空気感がなによりも泥棒対策になりそうですね。
更に、間取りプランをこれまでのような画一的なタイプから、バリエーション豊富にするなどの試みも画期的です。
間取りにバリエーションがあるということは、ライフスタイルの多様化にも対応する他、泥棒から容易に間取りが推測できないという防犯上大きなメリットがありますね。
このように、泥棒が入りにくい敷地計画やゾーニングに加えて、泥棒に寝室の場所がわかりにくい間取りなど、様々な取り組みが行われています。
こういった住宅供給側の企画開発力によって、大規模賃貸住宅群による「防犯を意識した街並み作り」が行われています。こういった工夫で、立地や環境のデメリットを克服することもできますよね。
こんな取り組みが増えつつあるので、ぜひ転居先の候補として選んでいる街でもこういった賃貸群の建築計画が行われていないかどうか調べてみてください。
立地や環境の次にチェックしたいのが物件の設備関係です。
色々と調べてみると、やはり築年数の浅い物件ほど、様々な対策が打たれているようです。
従来はむき出しで容易に外部から侵入できた外階段も、最近の物件は上の写真のように侵入防止の格子がはめられている建物が増えています。
今回はダイワハウスが展開する賃貸住宅「D-room」の埼玉県越谷市レイクタウンの物件にお邪魔して、最新の一人暮らし用賃貸物件の創意工夫を見せていただきました。
3階建ての賃貸集合住宅。これまでの物件との違いは外玄関の存在です。このメインのエントランスは、大規模マンションで言うオートロックと同じです。
メインのエントランスで、居住者が自宅玄関のカードキーをかざしてロックを解除してから建物の中に入ります。
1Fの玄関通路部分にも同様に手すりの上部から天井までの格子がはめてあります。こちらの物件は階段が建物のセンター位置にあるため外階段はありませんから、1Fの廊下に格子があれば、メインエントランス以外からは、誰も建物内部に侵入することができません。
居住者はエントランスでロック解除して建物内部に入り、中階段を上がって、それぞれのフロアを経由して各戸に入ります。
各戸の玄関ドアでもやはりカードキーをかざしてから中に入ります。
その他には、「バルコニー腰壁用物干し金物」「目隠し植栽」「宅配ボックス」「録画機能付きTVインターホン」など様々な工夫があります。
バルコニーの腰壁用の物干し金物は、洗濯物が外部から見られないため、通行人から居住者の性別が識別されることがなく、目隠し植栽は低層階の居住者のプライバシーを保護すると同時に、侵入しにくくしています。
こちらの物件は1フロア4世帯の三階建てなので1棟全12戸の中小規模の賃貸物件ですが、宅配ボックスを備えています。
女性の一人暮らしにとっては宅配便を装った押し込み強盗も心配です。宅配ボックスがあれば、明るい安全な時間帯、人通りの多い時間帯を選んでボックスから荷物を取りに行くことができますよね。
その他、D-Roomで提供しているサービスには、ALSOKやSECOMなどの大手警備会社と提携した「かけつけサービス(有料)」というものがあります。
在宅時でも外出時でも対応し、侵入やなにかしらの非常事態が発生すると警備会社に警報が届き、警備員が現場に直行してくれるというサービスです。
このようにさまざまな設備+サービスで更に女性の一人暮らしをバックアップしてくれているので安心ですね。
上記のような設備やサービスの充実した新築賃貸住宅に住まうことが出来れば理想的ですが、必ずしも希望のエリアに新築物件があると限りません。学園都市やんニュータウンなどとして最近開発された街には新しい防犯設備の整った賃貸住宅が増えていますが、旧来から治安がよいとされていた閑静な住宅街ほど、こと賃貸物件については新しい大規模物件は少ないものです。
また、仮に新築の賃貸住宅があったとしても、運よく空き住戸が出るとは限りませんね。
そんな場合に備えて、平均的な賃貸住宅での一人暮らしにきっと役に立つ、防犯グッズを幾つかご紹介します。
・玄関用or窓用補助錠
玄関用タイプ、窓用タイプ、それぞれ数千円からあります。出費はイタイですが、安全の為ですから、まずは侵入されないように工夫しましょう。
大きなホームセンターでは必ず防犯コーナーがあり、様々なタイプの玄関用補助錠が豊富に取り揃えられています。
窓からの侵入を知らせる、衝撃で鳴るタイプのウインドウアラームも効果的です。こちらはホームセンターや通販で1000円台から各種ありますよ。
また、あくまで補助的なものにはなりますが、100円ショップの防犯コーナーもかなり充実していて、窓用の補助錠や、玄関や窓の警告シールなども数多くあります。
ついでに防犯ブザーやホイッスルなど、携帯できるタイプの防犯グッズもまとめて購入したいですね。
玄関や窓に貼る警告シールで防犯になるの?と思うかもしれませんが、「防犯対策実施済み」「アラームが鳴ります」などの警告だけでも、泥棒は躊躇するものです。貼っていない部屋よりも貼っている部屋の方が「防犯意識が高い居住者が住んでいる」には間違いないですからね。この部屋はやめて隣の部屋にしておこう・・・・・・そんな風に考えることでしょう。
・防犯カメラ
とてもベタですが、最近のダミーのカメラは精巧に出来ているので、容易に見抜きにくいものです。まして侵入するのは夕暮れ時から夜、または朝方が多いですから、薄暗い中でダミーかどうかを識別するのはなかなか難しいものです。
センサーで動くタイプのものもありますよ。
先ほどのシール同様に、ダミーと分かったとしても、防犯意識の高さが伺えるだけでも、十分抑止になるように思います。
・人感センサーライト
ベランダの雨どいなどに設置できるタイプの物がたくさんあります。
賃貸でもバルコニー手すりや建物を傷つけることなく設置できるので便利ですよね。
暗い夜を狙って襲うのが強盗や痴漢。昼間のように明るく煌々と光を浴びせかけるセンサーライトは、犯罪者にとっては恐ろしい存在です。
角度も工夫できるので、ベランダ全体を照らすようにもできるし、泥棒の姿が大きく映し出せるように照らすこともできます。
・紳士物の下着や衣類
更にベタで古典的な対策ですね。女性の一人暮らしと見抜かれないよう、紳士物の衣類を見える場所に干すのもよいでしょう。
いっそLサイズの柔道着やラグビーユニフォーム、作業着など、より屈強な男性を連想させるような衣類を干すのも効果的かもしれませんよ!?
いかがでしたでしょうか。
防犯全般については警視庁のサイト「住まいる防犯110番」が大変参考になりますから、ぜひ一度ご覧ください。
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/top.html
そして、引越しのエリアに目星がついたら、ぜひ具体的な物件探しですね。
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執筆:マイスマwoman's LABO 編集部
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