見えにくい住宅の品質も、「住宅性能評価」や「長期優良住宅」といった公的な基準をもとに評価・設計できます。
「お正月って、テレビ番組もいろいろあるよね~」
「何をかける?」
「うーんと、『芸能人格付けチェック』にする?」
「そうしよう!」
「高級なワインと普通のワインといっても、なかなか区別がつかないものなんだね。」
「ワインなら見た目も味も知った上で評価できるけど、そうは行かないものもあるよね?」
「そうは行かないもの?」
「例えば家って、一度建ててしまうと中まで見られないよね。」
「…あ、そうだね。」
「普通の人が家を見てもいいか悪いかわからないし、『欠陥住宅』なんて問題になることもあるから、第三者が家を『格付けチェック』する、『住宅性能表示制度』という制度が2000年から始まったんだよ。」
「そんなのがあったんだ!」
「新築の場合、評価は2ステップあって、作り始める前に図面などで審査する設計性能評価と、作りながらチェックを適宜行っていく建設性能評価に分かれてるんだ。」
「設計段階から施工まで見てくれるんだね。」
「そして、得られた結果はわかりやすいように、1、2、3みたいな数字で区分して、『住宅性能評価書』になります。」
「通知表みたいだね。」
「通知表みたいに1が最低なんだけど、もちろん1でも建築基準法の基準はクリアしているよ。」
「だったら、さらに上の基準ってどんな意味があるのかなあ?」
「各社が『省エネな家』とか『地震に強い家』とか、いろいろアピールしているけど、それを同じ基準で比較できるようになります。」
「比較する前提には、基準が必要だからね。」
「あと、住宅を買ったり建てたりした時に、住宅性能評価書が契約書とセットになっている場合は、もしそれに満たない部分があれば契約違反ってことになります。」
「でも、実際にトラブルに巻き込まれたら大変だよね。」
「そんな時も、建設住宅性能評価書付きの家なら、1件1万円で弁護士会がトラブルに対応してくれる仕組みもあるんだって。」
「そこまでやっているんだ!」
「あと、評価内容によって住宅ローンの金利とか地震保険料が安くなることもあるから、そういう意味でも安心かも。」
「人口減少社会という割に、どんどん新しい家が建って、そして空き家は増えていっているよね。」
「今までは、新築重視の社会だったからね。」
「今までは?」
「さすがに大量消費、大量廃棄が時代に合わないということで、住宅を長く使う方向への政策も始まっています。」
「というと?」
「『長期優良住宅』といって、長持ちする住宅を国が認定して、支援する制度だよ。」
「支援してくれるんだ。」
「税制面とか、住宅ローンの金利優遇とか、いろいろあります。」
「どんな家にすればいいの?」
「耐震性とか省エネ性とか耐久性とか、じつは住宅性能評価の対象と似ているから、まとめて申請することも多いよ。」
「一挙両得だね!」
「わかりづらい住宅の品質も、第三者から『格付けチェック』してもらうことで、よりはっきりするるね!」
(参考資料)住宅性能評価・表示協会
しっかりとした家に住みたいとお考えのあなたへ
執筆:マイスマ制作チーム