「不動産に掘り出し物はない」という格言がありますが、心理的要因や周辺物件との兼ね合わせで価格が変化してしまうこともあります。
「不動産に掘り出し物はない」という格言があります。この格言は「不動産は、需給のマーケットで決まるので相場からそうは外れない」という背景から生まれたそうです。
相場の20%以上安いなど、価格が極端に安い場合は、必ず物理、心理的な減価要因があります。事故物件や墓地に面している等のマイナス要因が気にならないなら、掘り出し物が見つかる可能性はあります。それとは別に業界の慣習上、掘り出し物が発生してしまうメカニズムについて説明を行います。
例えば、ある土地に隣り合った2件の家がほぼ同じ面積であったとします。土地は両方とも3,000万円で同じ位の広さの家を建てます。 片方Aの家は設備や材料に充分配慮した家。もう片方Bの家はいたって普通の家。Aの建物が4,000万、Bの建物が3,000万としましょう。新築時、Aは土地3,000万+建物4,000万の合計7,000万円。一方、Bは土地3,000万+建物3,000万の合計6,000万円。10年後に両方売りに出た場合、建物は通常20年で価値が0円になりますので、10年なら半分になっているとします。地価の変動がなかった場合は以下のようになっているはずです。
Aの家=3,000万+4,000万×1/2=3,500万
Bの家=3,000万+3,000万×1/2=3,000万
ところが、実際はそうもいかないようです。中古物件で同じ場所に同じ規模の家があれば、相互に価格に影響を及ぼすらしいのです。多くの場合は、低い方寄りの評価となる場合が多く、今回の場合だと、Aの家が本来の価値よりやや低めに評価されて3,250万円くらいの値段になってしまうようです。本来なら3,500万円の物件が3,250万円で市場に出てくるので「これは掘り出し物に違いない!」ということになるわけです。
こういった事が起こる背景として、中古不動産の値付けが、不動産仲介会社の経験と勘に基いている事にあります。上記の例のような場合は掘り出し物として安く購入する事ができますが、相場より安い物件があった場合は、安い理由や持主が手放した理由をよく確認しておきましょう。
(参考資料)SBI不動産ガイド
執筆:マイスマ制作チーム