インテリアの花形ともいえるソファですが、お部屋の中では大きなスペースを占める家具でもあります。間違った選び方をすると、お部屋の雰囲気が台無しになったり、生活に支障をきたすこともあるでしょう。そんなことにならないために、簡単にチェックできる5つの大事なポイントを紹介していきます。
まずはどういった用途で使用することが多いだろうかと、ぼんやり考えてみましょう。
このように、自分がこれから購入するソファを使って何がしたいのかを紙に書き出してみます。すると、どういった形状・質感でサイズはこのぐらいといった具体的なイメージが湧いてくるかと思います。これがあなたのソファ選びの基準となり、今後何を優先して、それをどのように選んでいくべきか見えてきます。
使い道がはっきりしたところで、どんな構造・形状のソファがいいか考えてみましょう。一口に構造といっても素材・硬さ・スプリングなど様々です。ひとつひとつみていきましょう。
素材は大きく 本革・合成皮革・布 の3つに分類されます。
本革
ソファで使用される本革の多くは牛革です。通気性・吸湿性に富んでおり、寿命が長いのが特徴です。
[メリット]
[デメリット]
合成皮革
本革に似せて人工的に作られた素材を合成皮革といいます。本革のような質感を安価で得ることができます。
[メリット]
[デメリット]
布
ファブリックともいいます。見た目も可愛らしいものが多く、柄模様やカラーバリエーションが豊富で特に女性に人気があります。
[メリット]
[デメリット]
長く使いたいなら本革、本革のような質感を安価で楽しみたいなら合成皮革、お部屋のコーディネートを楽しみたいなら布のように自分が何を重視しているかをよく考えて選んでみましょう。
ソファの座る部分の構造は柔らかいウレタンフォームの下に、衝撃吸収材を置いて体重を支えるというのが一般的です。ウレタンフォームは直接座る部分であり、その質や密度によって柔らかさや耐久性が変わってきます。体重を支える衝撃吸収材は コイルスプリング・波型スプリング・ウェービングテープ の3つのタイプがあります。
コイルスプリング
縦に巻いたバネがそれぞれ体重を支えてくれます。縦構造なのでどの部分に座っても均等に体重を分散してくれ、ソフトでクッション性が高いです。へたりにくく耐久性も高いので高価なソファに使われていることが多いです。座り心地重視の方におすすめです。
波型スプリング
銅線をS字に曲げて体重を支えるタイプです。バネの弾力によって柔らかい座り心地を実現しています。コイルスプリングは高価なので、安価な波型スプリングが主流になりつつあります。
ウェービングテープ
繊維にゴムを浸透させた特殊な幅広テープを縦横に組み合わせて体重を支えるタイプです。柔らかい座り心地で沈み込む感じが特徴です。耐久性はスプリング系に劣るため、安価なソファに使われることが多いです。ただ、ゴム素材のため軽くて応用が効くというメリットもあります。
構造がイメージできたところで、ソファの形状にも目を向けてみましょう。ひじ掛けは必要でしょうか。座面は高い方がいいでしょうか。足は伸ばせるほうがいいでしょうか。用途に合わせて選んでいきましょう。
ひじ掛け
ひじ掛けはデザインと利便性の両方に影響してきます。肘を置くだけでなく枕の代わりになったり、物置台の代わりとして使えて便利ですが、狭い部屋だとひじ掛けが無い方が座面を広く確保でき、お部屋を広く見せることができます。
ローソファ・フロアソファ
いわゆる座面が低いタイプのソファのことですが、日本人は床に座る生活に慣れているために落ち着くという人も多いようです。床に近いので足を思いっきり延ばせて気持ちがいい反面、足を曲げて座る事が出来ないのが難点です。また、子供や赤ちゃんがいるような家庭では高さが無いので安全です。
カウチソファ
足を延ばせるタイプのソファです。普通のソファだとオットマンなどがないと足を延ばすのは難しいですが、カウチソファだと正面を向いて背もたれにもたれかかったまま足を延ばせます。とても居心地がいいので少々スペースを取られようが構わないという方も多いはず。ただし最低でも10帖くらいは欲しいところです。
コーナーソファ
お部屋の角の部分におけるようにデザインされたソファです。カウチソファとの違いはL字部分全てに背があります。囲い感が高く、コミュニケーションをとるのに適しているため、家族で過ごす時間を大切にしたい方に特におススメです。サイズにもよりますが、最低でも12帖くらいのスペースが設置の目安となります。
ソファを選ぶうえでサイズはとても重要な要素となります。当然お部屋の広さに大きく左右されてはしまうのですが、その前にあなたが心地よく座れる基本的なサイズを知っておきましょう。インテリアとしてのソファ選びであればいいのですが、自分のためのソファ選びをするならとっても大事なポイントです。
まずは自分にとっての最適なサイズを考えてみます。くつろげるサイズのポイントとなるのは次の3点です。
座面の奥行き
寝転んだり、足を投げ出したりしてくつろぐことが多いなら、奥行きはあった方が窮屈に感じません。逆に座って読書やお茶を飲んだり、作業することが多い人は奥行きがあり過ぎると使いにくいです。腰痛持ちも奥行きがあり過ぎると正しい姿勢が取れずに腰を痛めやすくなります。
座面の幅
寝転がった時のリラックス感や一緒に座れる人数に影響します。2人用で考える場合、仲の良いカップルならいいかもしれませんが、基本もう1人分のゆとりがあった方が何かと助かります。物理的に可能なら少し余裕のあるサイズも検討してみましょう。
背面の高さ
背面は高さはくつろぎ感を高めてくれますが、高すぎるとお部屋の開放感を損なってしまいます。特に狭いお部屋では、色などを工夫してなるべく大きく見せないことが大事になります。また、長時間テレビを見る方には、背面が高い方が首元が疲れにくいのでおススメです。
自分がくつろげるサイズ感が把握できたら、実際に置くお部屋ともサイズを相談してみましょう。新聞紙や段ボールなど簡単に用意できるもので、原寸サイズのものを置いてみるとイメージしやすいです。この時点でコンセントの位置や窓枠・カーテンなど取り付ける上で問題がないか、搬入経路は確保できているかもしっかり調べます。平面でなく立体的にイメージをすることが大切です。ここでは特に狭いお部屋に置くときのポイントを紹介します。
ひじ掛け
ひじ掛けは無い方が座面を広く確保でき、お部屋も開放的に見せることができます。
脚
床が見えるスタイリッシュな脚付きソファならば、お部屋を広く見せることができます。
背もたれ
背もたれを薄くすればスペースを節約できて、お部屋のテイストとも合わせやすくなります。
色・デザイン
お部屋のインテリアにマッチさせることで、一体感が生まれてサイズ感が小さくなります。
いよいよソファ選びの醍醐味ともいえるテイストを決めていきましょう。あなたのお部屋にはどのようなテイストのソファが合っているでしょうか?ソファに合わせてお部屋をコーディネイトし直す方もいるかもしれませんね。ここでは6つのテイストを紹介していきます。
北欧
北欧テイストのソファには、木のやわらかい色味、風合いを活かしつつ、シンプルですっきりしているものが多いです。木の色にはブルー・グリーン・オレンジといったカバーリングやラグが合いやすく、より北欧の雰囲気が高まります。原色に近いちょっと強めの色をアクセント的に取り入れることでセンスあるお部屋になるでしょう。
モダン
モダンテイストのソファには、高級感・落ち着きのあるホテルライクなソファが当てはまります。写真のようにモダンテイストのお部屋には本革ソファとの相性がいいです。モダンなコーディネートをするためにはガラス・スチールを含んだものや、ストレートラインを強調するような家具をそろえるとよいでしょう。
アジアン
アジアンテイストのソファは、ラタン・竹といった植物や、アバカ・ヒヤシンスといった水草系の自然素材と木を組み合わせて作られるものがほとんどです。コーディネートとしては赤・黄・オレンジなど色彩豊かなものを取り込んでいきます。素朴感と華やかさをうまく調和させるのがポイントです。
ナチュラル
ナチュラルテイストのソファは木・布といった自然素材を中心に、デザイン的にやわらかい曲線やシンプルなラインで構成されています。カラーはオフホワイト・ベージュ・生成りが中心になります。天然系の素材を中心に観葉植物なども取り入れたりと「穏やかな」「優しい」お部屋になるようにコーディネートしてみてください。
ミッドセンチュリー
1940年代から60年代にアメリカで生まれたインダストリアルデザインが施されたものをいいます。当時の自由な発想で作られた家具は今でもどこか新しくスタイリッシュな印象を与えてくれます。デザインの多くは曲線的なものが多いです。コーディネートとしてはダークな木目調と合わせたり、レトロな小物をあしらったりして、落ち着きのある上品な空間を演出してみましょう。
ハワイアン
ハワイアンテイストのソファはラタンや竹などの自然素材を使った布地(ファブリック)でトロピカルな柄が特徴です。お部屋は南国のリゾートホテルをイメージしたコーディネートをすると雰囲気が出るでしょう。葉っぱ柄のクッションカバーや観葉植物を置いてみたりして楽しんではいかがでしょうか。
以上、ソファ選びに重要な5つのポイントを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。これを機に、あなただけの素敵なソファを手に入れてください。
執筆:マイスマ制作チーム